当事務所では、ISO9001およびISO14001の最新改正情報をいち早くお届けし、
企業様の認証取得・維持をサポートしております。
今回は、2024年12月以降に発表された改正のポイントについてご紹介していきます。
ISO9001改正(2026年9月発行予定)
ISO9001の改正は、2026年9月に「JIS Q 9001:2026」版として発行が予定されています。
今回の改正では、以下のポイントが重要視されています。
1. 附属書SLの適用強化
ISO管理システム規格の共通構造である「附属書SL」の適用をさらに強化し、品質マネジメントシステムの整合性を向上させます。
2. 品質に関する最新トレンドの反映
近年の品質マネジメントに関するトレンドを踏まえた改訂が行われ、より実用的な規格へと進化します。
3. 「リスク」と「機会」の分離
これまで一括りにされていた「リスク」と「機会」を明確に分離し、
- 「リスクは通常、負の影響を伴うもの」
- 「機会は、リスクのポジティブな側面ではない」
- 「改善の機会と機会は異なる」 といった概念を整理します。
4. 文書化した情報の表現の見直し
文書化された情報の管理方法や表現が見直され、実務での利便性が向上する予定です。
ISO14001改正(2025年12月発行予定)
ISO14001の改正は2025年12月に「統合追補(Consolidated Amendment)」として発行が予定されています。
1. 附属書SLの変更
ISOマネジメントシステムの一貫性を強化するため、附属書SLの変更を適用します。
2. 附属書Aのガイダンス追加
以下のテーマについて追加のガイダンスが提供されます。
- 企業戦略、事業プロセス、統合マネジメントシステムの整合性
- リスクと機会の管理
- ライフサイクル視点の考慮
- ISO14002シリーズとの連携(水資源、気候変動、廃棄物管理など)
- サプライチェーンと外部委託プロセスへの対応
- 環境マネジメントの外部レポーティングと企業文化の向上
3. 環境影響に関する規定の明確化
組織が環境に与える影響をより具体的に評価できるように、規定が整理されます。
4. 緊急事態の取り扱い変更
緊急事態の管理について、これまでの「環境影響のあるものを含めた決定」から「環境影響に限定した決定」へと変更されます。

緊急事態の決定は、元々要求事項6.1.1にありましたが、
今回の改正で6.1.2に移る予定です。
その結果、決定すべき緊急事態は、環境に関するものだけに限定されてしまいます。
今後の広範なISO14001の活用を考慮すると、
要求の対象が狭くなっており、緊急事態への配慮の欠如が懸念されています。
まとめ
約10年ぶりとなる今回のISO9001・ISO14001の最新改正は、
企業の品質・環境マネジメントシステムに大きな影響を与える重要なポイントを含んでいます。
今後の改正に備え、当事務所では規格改正対応のサポートも提供しています。
最新情報や詳細な解説についてなど、お気軽にお問い合わせください。