違反者続出の環境法!?
環境マネジメントシステム(EMS)を運用し、
多くの企業が労力をかけて環境法を遵守する取組みをしています。
EMS の国際規格ISO14001や環境省策定エコアクション21で要求されていることや、
コンプライアンス(法令遵守)の意識が広がっていることもあるのでしょう。
しかし、それだけではありません。
それをしなければ、違反してしまうケースが後を絶たないからです。
図表のように、環境法に違反した者である「環境事犯」の検挙事件数は、
毎年約6,000件にのぼります。
その多くは、「廃棄物処理法違反」になります。
平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
廃棄物事犯 | 5493 | 5375 | 5759 | 5772 | 5275 |
廃棄物事犯以外の環境事犯 | 815 | 814 | 890 | 855 | 836 |

環境法に違反すると実際に検挙されることがあるの?

環境事犯の多くは廃棄物処理法違反。
特に気をつけましょうね。
環境法違反は経営リスク
環境法に違反したとして、工場などへ警察や行政が入ってくれば、
現場の動揺は計り知れないものがあります。
ただし、違反の影響はそれにとどまるわけではありません。
経済産業省が発表した
「効果的な公害防止への取り組み事例集」(平成22年3月)には、
水質汚濁防止法の排出基準に違反した企業の実例が紹介されています。
それによれば、ある大企業では、自社の汚水によって漁業の風評被害をを招いたとして、
漁協等に6300万円の補償金、工場の設備改修と他工場の類似事故防止に
3年間で設備投資約一10億円、
さらに人件費などの追加経費として約16億円の費用を費やしたそうです。
また、違反した中小企業では、事故対応の費用負担と
社会的信用の失墜のため、操業停止・倒産に至った例もあるそうです。
環境法違反は個人の責任ももちろん問われますが、
コスト増や社会的制裁などによって企業の持続的な経営を脅かしかねないものです。
現場の問題ではなく、経営の問題として認識すべきでしょう。
しかも、環境法の遵守には、全社を挙げた遵守の仕組みを
運用しなければ対応できません。
環境法規違反への危機感を社内で共有しながら、
適切に対応していきたいものです。