「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)は、
環境物品等の調達の推進を目的に、循環型社会形成推進基本法の一環として平成12年5月に制定されました。
国等の各機関、地方自治体及び地方独立行政法人による環境物品等の調達の推進などを定めた法律です。

環境物品等の調達を通じて、公的機関が環境負荷を低減する製品やサービスを積極的に導入し、
グリーン市場を形成することを目指しています。
グリーン購入法では、公的機関が環境物品等の調達を推進するための基本方針を定めています。
これに基づき、特定調達品目とその判断基準を設けています。

グリーン購入法の基本方針

基本方針の正式名称は、「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」です。

基本的事項として、
①国・独立行政法人等が重点的に調達を推進すべき環境物品等の種類(特定調達品目)
②その判断の基準
③その基準を満たす物品等(特定調達物品等)
の調達の推進に関する基本的事項を定めています。

基本方針は、毎年見直しされ、
特定調達品目は、令和5年12月には、
22分野・278品目となりました。

グリーン購入の目的

グリーン購入の目的は、環境負荷を低減し、持続可能な社会の構築を実現することです。
具体的には、環境に配慮した製品やサービスの選択を促進するために、環境への影響を示すラベルを導入し消費者へ情報提供することが挙げられます。
最終的なゴールは、社会・経済のシステムを環境に配慮したものへ変革し、持続可能な発展を促進することです。
消費者は環境に優しい製品を選択し、企業は環境負荷の少ない製品開発に注力することで、グリーン市場の拡大へとつながります。

但し、グリーン購入法は、民間などのその他事業者に対して、具体的な義務を定めたものではありません。
条文で「物品を購入し、若しくは借り受け、または役務の提供を受ける場合には、できる限り環境物品等を選択するように努める」
と定めている程度です。

しかし、調達すべき環境物品等を毎年見直ししながら国は示しているので、それを参考に自社の購入品目を
選ぶ事業者は少なくありません。

本法は、グリーン購入を促進する為に、国などの公的部門におけるグリーン調達を推進するとともに、情報提供の措置をなどを定めています。

グリーン購入時に注目される、エコマーク

エコマークとは、様々な商品(製品およびサービス)の中で、「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、
環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境ラベルです。

エコマークに認定された製品は、原則としてグリーン購入法の判断基準に準拠しています。

そのため、国等の機関や地方公共団体において、組織的にグリーン購入に取り組む際、エコマークが目印となっています。
特に、国等の機関は、グリーン購入法に基づき、各分野のグリーン購入の調達実績を集計し、公表する必要があるため、
購入物品が判断の基準を満たした製品であるかどうか、早期に判断しなければならず、エコマークが有効な手段となっています。
※グリーン購入法において、一部分野はエコマークの認定がないものもあります。

出典:エコマーク事務局

まとめ

グリーン購入は、2015年に国連で採択されたSDGsの目標や、パリ協定等の気候変動対策、資源循環の促進など、
様々な社会課題の解決を目指すための手段の1つで、今後ますます注目されていくでしょう。
 
企業・地方公共団体・個人消費者の「購入」という手段には、「環境」という側面も重視されていく為、
 
グリーン市場の更なる拡大に備えて、グリーン購入の考えを実践していく必要があります。